コーヒーの味と香りは焙煎で決まる!自宅で楽しむ美味しい飲み方とおすすめの焙煎機

コーヒーの基本情報

焙煎は、収穫した生豆を一般的に見かける「茶色から黒褐色のコーヒー豆」に変化させる重要な過程です。

「自家焙煎」「ロースト」「深煎り」など、焙煎に関する用語は多数存在するので、カフェやコーヒー豆のパッケージでも見かけたことがあるかもしれません。

自宅で焙煎に挑戦すると、煎りたて・挽きたて・淹れたての三つの「たて」が揃った本格的なコーヒーが楽しめます。

焙煎に関する知識を深め、コツを掴むことで、さらに美味しいコーヒーが堪能できるでしょう。

 

ここでは、

「焙煎とは何か?」
「自分はどの程度の焙煎が好みか?」
「自家焙煎の美味しいコーヒーが飲みたい!」

という方に向けて、焙煎の役割や焙煎度による味と香りの違いを詳しく解説します。

また、自家焙煎の基本的な方法と応用、焙煎した豆の正しい扱い方も紹介します。
この内容を参考に、プロに負けない自家焙煎のコーヒーを作ってみましょう!

 

「焙煎」とはコーヒーの生豆を加熱して茶色から黒褐色に変えること

コーヒーの独特な風味と香りを生み出す重要なプロセスです!

焙煎は、材料を火で加熱しながら動かす作業で、茶やナッツなどにも利用されます。
コーヒー豆は、収穫後に選別された生豆を焙煎することで作られます。

【コーヒー豆の生成過程】

種まき → 栽培 → 収穫 → 精選 → 選別 → 格付 → 焙煎 → 粉砕 → 完成

酸味、色、苦味、香りは、焙煎の過程で順次形成され、色は白っぽい緑から茶褐色、黒褐色へと変化します。
この段階で初めてコーヒー独自の味わいや香りが生まれるのです。

コーヒーチェリーから得られた生豆は、そのままでは雑味が多く、美味しさに欠けます。
そこで焙煎を行い、生豆に含まれる成分に化学反応を促します。

焙煎によって大きく変化するのは以下の成分です。

  • 水分 → 減少
  • ショ糖 → ほぼ消失
  • アミノ酸 → ほぼ消失
  • 褐色色素 → 焙煎度に応じて増加
  • クロロゲン酸 → 焙煎度に応じて減少

カフェインや脂質、タンパク質、ミネラルなどはあまり変わらず、焙煎による風味や香りの形成には関与しません。

温度や時間で味わいが変化

焙煎にはさまざまな加熱方法や時間があり、同じ生豆でも「どの温度で何分加熱されたか」によって味や香りが大きく異なります。

この変化を理解することで、コーヒーの魅力をより実感でき、いつもの一杯を一層楽しむことができるでしょう。

  1. 酸味:クロロゲン酸とショ糖が反応し、初期にはキナ酸やコーヒー酸などが増え、後期には熱分解によって減少します。
  2. 色:アミノ酸、ショ糖、クロロゲン酸、タンパク質、多糖類が反応し、品種や温度、経過時間によって変わります。
  3. 苦味:色素の反応により、色が濃くなるほど苦味が強くなります。
  4. 香り:少糖とアミノ酸、クロロゲン酸が反応し、時間と共に変化するものがあり、約650種類にも及ぶとされています。

 

あなたはどの焙煎度が好きですか?

浅煎りや深煎り、シティロースト、フレンチローストなど、焙煎の度合いを表す言葉を「焙煎度」と呼びます。

これはコーヒー豆を選ぶ際やカフェのメニューを決める際の参考になります。

焙煎度は主に以下の3つに分類されます。

  1. 浅煎り
  2. 中煎り
  3. 深煎り

さらに細かく分類すると8段階あり、浅いものは酸味が強く、深いものは苦味が際立ちます。

浅煎り

短時間で焙煎された浅煎り豆は、酸味が強く感じられ、苦味は控えめです。

爽やかでフルーティな味わいが特徴で、豆の質感はマットで、他の焙煎度に比べて水分が多く残っているため固めです。

①ライトロースト

  • 黄色みがある
  • 香りとコクは控えめ
  • 酸味が最も強い

②シナモンロースト

  • シナモン色
  • 苦味はほぼなし
  • すっきりとした酸味

中煎り

一般的に人気のある中煎り豆は、酸味と苦味のバランスが良く、豆本来の風味を楽しめます。

浅煎りより色が濃く、表面はややしっとりしています。
レギュラーやホットコーヒーに多く使われます。

①ミディアムロースト

  • 薄茶色
  • さっぱりした味わい
  • ほんのりした苦味

②ハイロースト

  • 茶色
  • 柔らかい口当たり
  • すっきりとした苦味

③シティロースト

  • やや黒い色合い
  • コクのある苦味
  • 酸味と苦味のバランスが良好

深煎り

長時間焙煎された深煎り豆は、苦味が強く、酸味が少なくなります。

苦味が際立つ豆は、よりビターな味わいに仕上がります。
水分が多く蒸発し、豆の表面が油分でツヤを持ち、香りも豊かになります。

①フルシティロースト

  • 黒茶色
  • 酸味は少ない
  • 苦味とコクがしっかり

②フレンチロースト

  • 黒っぽい色
  • 非常に強い苦味
  • カフェオレなどにおすすめ

③イタリアンロースト

  • 黒に近い色合い
  • 強い苦味とコク
  • スモーキーな香りが特徴で、ミルクや砂糖と一緒に楽しむことが一般的

 

自宅で自家焙煎に挑戦しよう!

気になる焙煎度はありましたか?
さまざまな種類があり、試してみたくなりますよね。

そんな時こそ自家焙煎です!
生豆を手に入れて、自分の好みに合わせて焙煎してみましょう。

焙煎したての新鮮なコーヒー豆の香りや風味を楽しめるのも大きな魅力です。
自分だけの特別なコーヒーが楽しめますよ。

まずは基本的な手順と注意点を紹介します。

準備するもの

  • コーヒー生豆:約100~150g
  • 焙煎用の手綱(銀杏や大豆用でOK)
  • ドライヤー(またはうちわ)
  • ガスコンロ
  • 軍手
  • ザル

手順

1. 生豆を水洗いして手綱に入れる

生豆にはほこりやゴミが付いているので、しっかりと洗いましょう。
フタの左右をクリップなどで固定し、豆が飛び出ないように注意します。

2. 軍手をして中火で加熱

コンロから約10〜15cmの高さで手綱を水平に保ちながら振ります。

焼きムラができないように手首を動かし、3分ほどで水分が抜けて色づいてきます。
この段階では「浅煎り」です。

3. 1回目の爆ぜ(ハゼ)

約10分後に「パチパチ」という音が聞こえたら「中煎り」の状態です。

4. 2回目の爆ぜ(ハゼ)

焙煎開始から約15分後に「チリチリ」という音がすれば、豆が十分に膨らんでいる証拠です。
香ばしい香りも漂い、「中深煎り」の状態になります。

5. 火から下ろしてすぐに冷却

好みの焙煎具合になったら火を止めて網に移します。

コーヒー豆の熱で焙煎が進むため、ドライヤーの冷風などで素早く冷やします。
粗熱が取れたら完成です。

注意事項

焙煎には「やけど・火事・汚れ」に注意が必要です。

  1. 手綱を振っているときに火に触れないようにすること。
  2. 薄皮が飛び散り周囲が汚れる可能性があります。
  3. 煙が出るため、火災報知器が反応することもあるので、注意が必要です。

安全に焙煎できる場所や服装を選びましょう。

屋外での焙煎をおすすめ

焙煎は屋外で行うのがベストです。

カセットコンロを使用し、飛び散った薄皮はほうきで集めたり、水で洗い流したりしましょう。
屋外なら煙が出ても快適ですし、安心して焙煎を楽しめます。

服装について

焙煎時には汚れても良い服やエプロンを着用することをお勧めします。

やけどを防ぐために軍手をはめ、足元は靴下や靴を履きましょう。
加熱中や焙煎直後の豆も熱いので、触れないように注意してください。

 

自家焙煎の品質向上を目指そう

自宅で自家焙煎に挑戦するからには、最高のコーヒー豆を作りたいですよね。
そこで、ぜひ試してほしい焙煎のポイントを5つご紹介します。

焙煎に適した生豆を選ぶ

柔らかめで均一な粒の生豆が焙煎には向いています。

固めの豆だと火が通りにくく、時間がかかることがあります。

おすすめは、柔らかくて揃った「ブラジル産」や「コロンビア産」の豆です。

生豆を丁寧に選別する

焙煎前に洗浄する際、ピンセットなどを使って「欠点豆」を取り除きましょう。

生豆には、割れや欠け、腐ったものが含まれていることがあります。

これらはコーヒーの味や香りを損なう原因になります。

焙煎後も注意深く観察し、気になる豆があれば取り除くと、より均一な抽出ができ、味わいも向上します。

ブレンドで新たな風味を探求する

異なる産地や品種を組み合わせることで、新しい味わいを楽しむことができます。

ストレートコーヒーは特有の風味を楽しめますが、鮮度が失われることもあります。

一方でブレンドコーヒーは、各豆の特性を活かしつつ、風味のバランスが良くなります。

ブレンドの方法には以下の2つがあります:

①プレミックス:生豆の段階でブレンド

  • シンプルで手軽
  • 一度に加熱するため、味のバリエーションが少ない

②アフターミックス:焙煎後にブレンド

  • それぞれに適した焙煎が可能
  • 味のバリエーションが豊富
  • 同時焙煎ができないため、保管用の容器が必要

焙煎後は数日置く

焙煎したてのコーヒー豆は、加熱によって発生したガスや煙の香りが残っています。

すぐに抽出するとお湯と馴染みにくく、深煎り豆でもあっさりとした味わいになりがちです。

豆のままなら5日ほど、挽いた場合は2〜3日寝かせるのが理想です。

 

使いやすい焙煎機を選ぼう

自宅で焙煎を楽しむなら、適切な道具を選ぶことが大切です。

「手綱」以外にも多くの焙煎機がありますので、自分に合ったスタイルを見つけましょう。

ここでは、選び方のポイントと家庭用のおすすめ焙煎機を紹介します。

熱源・焙煎方法・焙煎形式を理解する

焙煎機は「熱源」「焙煎方法」「焙煎形式」で構成されています。

これらの要素によって使いやすさが異なり、同じ生豆でも味わいが変わります。

生豆の特性に応じた最適な焙煎ができれば、最高のコーヒーが楽しめます。

  • 自分好みのコーヒーを作りたい
  • 手間を省いて手軽に焙煎したい
  • 自家焙煎の楽しさを感じたい

これらの希望が実現しやすくなります。
それぞれの特徴を簡単に紹介しますので、どれを使いたいか考えてみてください。

熱源の種類

①ガス式:火力の調整がしやすく、好みに合わせた焙煎が可能。習得には少し時間がかかる。

②電気式:自動焙煎のため、安定した結果が得られるが、自分で焙煎する楽しさは少ない。

③ガス&電気式:ガスで焙煎しつつ、電動で豆を回す。火力調整と自動焙煎の良さを併せ持つ。

焙煎方法

①手動式:生豆を自分の手で煎る楽しみが味わえる。リーズナブルで使いやすいが、コツが必要。

②電動式:手を使わずに焙煎ができ、一定の速度で回転するため安定性が高い。

③自動式:温度と時間を設定するだけで完了。手軽に本格的な焙煎が楽しめるが、高価なものが多い。

焙煎形式

①直火式:生豆に直接火を当てる方法で、焼きムラが生じやすいが、香りと味が際立つ。

②熱量式:熱源を下からあて、均一に加熱する。柔らかな酸味と優しい苦味が引き出されやすい。

③半熱量式:熱源を離れた場所からあて、均一な焙煎が可能。しっかりした味わいが得られやすい。

おすすめの焙煎機

①LITHON ホームロースター KLRT-0001B

温度と風量をコンピューター制御で自動管理。
焙煎から冷却まで約20分で、「中煎り」と「深煎り」が選べます。

  • 熱源:電気式
  • 焙煎方法:自動式
  • 焙煎形式:熱風式
  • 容量:40〜60g/回

②Snowtaros コーヒー焙煎機

生豆を入れて温度を調整し、焙煎がスタート。
透明なフタから豆の変化を楽しめます。

  • 熱源:電気式
  • 焙煎方法:電動式
  • 容量:300g

③ハリオ コーヒーロースター・レトロ RCR-50

有名な耐熱ガラスメーカーの手動ロースター。
透明なガラスから焙煎過程が見え、スタイリッシュなデザインです。

  • 熱源:ガス式
  • 焙煎方法:手動式
  • 容量:50g

これらの情報を参考に、自分にぴったりの焙煎機を見つけて、楽しい焙煎ライフをお過ごしください。

 

焙煎後のコーヒー豆の適切な保存方法

生豆の保存期限は2〜3年ですが、焙煎したコーヒー豆は約1ヶ月と短く、抽出直前の粉はさらに短命です。

せっかく焙煎した豆を美味しく保つために、正しい保存方法を知っておきましょう。

焙煎後の変化

焙煎したての豆は熱を持ち、ガスが溜まった状態です。

数日経つと落ち着き、風味が引き立ちますが、その後は鮮度が失われやすいです。

保存方法によって劣化の速さが変わるため、コーヒー豆に適した環境を理解することが重要です。

  1. 水分:焙煎後の豆は全体の3%が水分で、吸湿性が高いためカビが生えやすい。
    乾燥した状態が必要。
  2. 酸素:酸素に触れると化学反応を起こし、香りや油分が失われるため、密閉が必要。
  3. 光:紫外線は豆の色や風味を変えるため、暗い場所が理想。
  4. 温度:温度が10℃上がるごとに劣化スピードが2倍に。高温はカビの繁殖を促すので、常温または冷温を保つことが重要。

保存方法と焙煎量

ここでは、コーヒー豆の鮮度を保つための保存方法を紹介します。
また、一度に焙煎する量についても考慮しましょう。

保存容器

コーヒー豆に適した保存容器の条件は以下の通りです。

  • 香りが移りにくい
  • 遮光性がある
  • 密閉できるフタがある
  • 耐久性が高い
  • 湿気に強い
  • 使いやすい

たとえば、ガラス製のキャニスターは中身が見やすいですが、光が当たりやすいので冷蔵・冷凍保存には向いていません。

フリーザーバッグは光を防げますが、インテリアには不向きです。

保存する量は、美味しく飲みきれる期間に合わせると良いでしょう。

保存場所

適切な保存場所は以下の3つです。

  • 常温(15℃以下)
  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫

常温で保存する場合は直射日光を避け、風通しの良い場所が最適です。
リビングや食器棚などが良いですが、湿気の多い場所は避けましょう。
冷蔵庫や冷凍庫は温度変化に注意が必要です。

保存期間と焙煎量

コーヒー豆の保存期間は容器と場所の組み合わせで異なります。以下が目安です。

  • 常温×キャニスター → 1週間
  • 袋×冷蔵庫 → 2週間
  • 袋×冷凍庫 → 1ヶ月

飲みきれる量で焙煎することが理想です。

すぐに飲む予定なら常温保存が良く、長期間保存する場合は密封できる袋に入れて冷蔵または冷凍しましょう。

日付や量を記入して、美味しく飲むタイミングを逃さないようにしましょう。

焙煎量については、保存期間内に消費できる量を考えて選んでください。

たくさん焙煎して冷凍保存する場合は約1ヶ月分、日常的に楽しむなら2〜3週間分を目安にすると良いでしょう。

焙煎機を選ぶ際は、一度に焙煎できる量をチェックすることもお忘れなく!

 

手間ひまかけた自家焙煎コーヒーで特別なひとときを!

コーヒーの豊かな味わいや香りを引き出す「焙煎」。

その際の「焙煎度」が、苦味や酸味を見極める重要な要素です。
あなたの理想の味わいは見つかりましたか?

新鮮で美味しいコーヒーを楽しむために、自家焙煎に挑戦してみましょう!

火傷や汚れに注意しながら、さまざまな方法や道具を試すことで、自分だけの風味を発見できます。

手間をかけて作った自家焙煎コーヒーには、特別な愛着が湧き、やみつきになること間違いなし。

焙煎後の保存方法にも気を配りつつ、素敵なコーヒータイムを満喫してくださいね♪

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