赤道を中心とするコーヒーベルトには、多様な産地で育てられたコーヒー豆が存在します。
その中でもブラジルは、生産量、輸出量、そして日本への輸入量においてトップを誇るコーヒー大国です!
特にコーヒー栽培が盛んなミナスジェライス州は、日本から約18,000kmも離れており(地球を一周する距離の半分に相当)、面積も日本の約1.5倍です。
この遠くから届くブラジルのコーヒーについて、より深く知り、美味しさを存分に味わってみませんか?
ここでは、
「ブラジルのコーヒーはどんなものか?」
「おすすめの飲み方は?」
「どの豆が美味しいのか?」
といった疑問にお答えし、味や香りの特性、そして本格的に楽しむための飲み方をご紹介します。
ブラジル産コーヒーは広大な農園での栽培
ブラジルと日本を比較し、その特徴を見てみましょう。
ブラジル | 日本 | |
面積 | 851万2,000㎢ | 37万975.61㎢ |
人口 | 約2億947万人 | 約1億2,536万人 |
首都 | ブラジリア | 東京都 |
言語 | ポルトガル語 | 日本語 |
コーヒー消費量(1人/年) | 6.25kg | 3.64kg |
ブラジルは南米大陸の約半分を占める国で、その面積は日本の約23倍。
赤道に沿った「コーヒーベルト」に位置し、北部は熱帯、中央部は亜熱帯、南部は温帯と、さまざまな気候が特徴です。
コーヒーの消費量は日本の約2倍で、世界で2番目に多く、人口の約30%がコーヒーに関わっています。
朝食を「カフェ・ダ・マニャン」と呼ぶなど、ブラジル人にとってコーヒーは日常生活や人との交流に欠かせない存在です。
生産と輸出
- 生産量: 3,009トン
- 輸出量: 2,231トン
- 日本への輸入量: 116,816トン
ブラジルはコーヒーの生産において1位で、2位のベトナムとの差は約2倍。輸出量も1位で、いずれも世界の約30%を占めています。
また、ブラジルは農業大国で、コーヒー以外にも砂糖や鶏肉、トウモロコシなどの輸出額もトップクラスです。
日本でも多くのブラジル産食品が流通しています。
日本へのコーヒー生豆の輸入も多く、特にコロンビアやグアテマラを含む国々からの輸入量が多いため、比較的安価に手に入るのが特徴です。
たとえば、ブラジル産は1kgあたり約278円(2020年)ですが、コスタリカやケニアは約800円です。
コーヒー農園の状況
- コーヒー農園面積: 約27,000㎢
- 栽培方法: 非水洗式、パルプドナチュラル
- 収穫方法: 機械摘み、手摘み
- 収穫時期: 5〜8月
ブラジルには約60億本のコーヒーの木があり、それぞれ異なる標高や気候で育っています。
大規模農園では非水洗式で機械摘みが行われ、小規模農園では手摘みのパルプドナチュラルが採用されています。
コーヒーチェリーを選別した後、そのまま乾燥させて果肉とパーチメントを同時に取り除く方法で、完熟豆の選別が可能ですがコストがかかります。
果肉を除去後にパーチメントを乾燥させる方法で、均一性が高く、コストパフォーマンスに優れていますが、豆のロスが多くなります。
このように、広大なブラジルの地で育まれるコーヒーは、さまざまな風味や特性を持っています。
ブラジル産コーヒーの品種とその風味
ブラジル産のコーヒーにはどのような豆があり、どんな味や香りが楽しめるのか詳しく探ってみましょう。
アラビカ種が主流
コーヒー豆には主に「アラビカ種」と「カネフォラ種(ロブスタ)」の2種類があります。
ブラジルではアラビカ種が主に栽培されており、その割合は全体の約70%を占めます。
この品種は、カネフォラ種に比べて糖分や酸、脂肪が豊富で、特有の強い酸味と甘い香りが感じられます。
アラビカ種はさらに品種改良が進んでおり、以下のような主要な系統が栽培されています:
- ブルボン
- カトゥアイ
- カトゥーラ
- ムンドノーボ
特に有名な銘柄には以下のものがあります:
- サントス:ほどよい酸味と苦味のバランスが良く、まろやかな口当たり
- サンジョゼ:柔らかな酸味とビターチョコやアーモンドのようなリッチな甘さ
- カクェンジ:ラズベリーを思わせる甘酸っぱさとキャラメルの濃厚な甘み
- カドテアズール:程よい酸味と優しい甘さ、ほのかなコクと苦味
カネフォラ種(ロブスタ)
全体の約30%を占めるカネフォラ種、通称「ロブスタ」は、アフリカ・コンゴが原産です。
この品種は、アラビカ種に比べカフェインが約2倍含まれ、苦味や香ばしさが強いのが特徴です。
ブラジルで栽培されるカネフォラ種は「コニロン」と呼ばれ、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーなど工業用原料として利用されています。
本格的なブラジルコーヒーの楽しみ方
コーヒーにはインスタントや缶、ペットボトルのものもありますが、真のコーヒーの魅力を味わうには、自分で豆から淹れるのが一番です。
ブラジル産コーヒーの特性を活かして、5つの楽しみ方をご紹介します。
焙煎度を変えてみる
焙煎度を調整することで、様々な風味を楽しむことができます。
焙煎はコーヒー豆の風味を決定づける重要なプロセスで、品種によっては強すぎる酸味や苦味が出ることもありますが、ブラジル産の豆は多様性があります。
深煎りから浅煎りまでどの焙煎でも美味しさを感じられるので、自分好みの風味を探求してみてください。
- 強い酸味を求めるなら→ ミディアムロースト
- 酸味と苦味のバランスを楽しむなら → ハイロースト、シティーロースト
- 強い苦味を楽しむなら→ フルシティーロースト
エスプレッソやカプチーノには、深煎りの「フレンチロースト」や「イタリアンロースト」がおすすめです。
他の産地の豆と同じ焙煎度で飲み比べるのも良いアイデアです。
例えば、コロンビアやグアテマラの豆と比較すると、ブラジル産は早く色づき、風味の違いが楽しめます。
オリジナルブレンドを楽しむ
ブラジル産の豆を基に、あなただけのオリジナルブレンドを作ってみましょう。
バランスの取れた苦味と酸味のおかげで、他の銘柄との相性が抜群です。
- ブラジル+コロンビア+グアテマラ= 甘い香りと深いコク
- ブラジル+エチオピア= 上品でフローラルな香りと酸味
いろいろな組み合わせを試しながら、特別なブレンドを見つけてみてください。
大切な人へのギフトにもぴったりです♪
エスプレッソで歴史を感じる
まずは、ミルクや砂糖を加えず、ブラジル産のコーヒー豆そのものの味を確かめてみましょう。
ブラジルコーヒーの歴史は、1727年にフランスから持ち込まれたことから始まり、農園主や移民の力によって育まれました。
現在のブラジルでは、エスプレッソが主流です。
高圧で抽出されるこのコーヒーは、雑味が少なく、酸味と苦味のバランスがとれたコクのある味わいが楽しめます。
砂糖をたっぷり入れて本場のスタイルを味わう
ブラジルの人々の飲み方を真似して、ホットエスプレッソにたっぷりの砂糖を加えましょう。
一般的に30mlのエスプレッソには、4〜5杯の砂糖を入れるのが推奨です。
ブラジルではアイスコーヒーは少なく、ホットコーヒーが好まれています。
カフェでは砂糖が初めから加えられていることが多く、シュガースティックが何本も出されることも一般的です。
アレンジコーヒーを楽しむ
エスプレッソにミルクや砂糖を加えたアレンジコーヒーもおすすめです。
濃厚なエスプレッソは、どんな素材とも相性が良く、美味しいドリンクを作れます。
例えば以下のメニューを試してみてはいかがでしょうか?
- カフェラテ
- カフェモカ
- カプチーノ
- アフォガード
- マロッキーノ
- キャラメルラテ
- キャラメルカプチーノ
- チョコレートカプチーノ
おすすめのブラジル産コーヒー豆「3選」
最後に、特におすすめしたいブラジル産のコーヒー豆を3つご紹介します。
①オーガニック ブラジル|東京コーヒー
自家焙煎のオーガニックコーヒー豆で、無農薬・無添加が特徴です。
ディープなコクとほのかな甘味、優しい酸味が調和した味わいが楽しめます。
100%有機栽培で、JAS認証も取得済み。
焙煎直後の新鮮な風味を大切にしており、フルシティーロースト(中深煎り)は、わずかに酸味を残しつつ苦味とコクが引き出されています。
エスプレッソに最適です。
②スペシャリティ セット|澤井珈琲
ブラジルの上質なコーヒー豆を基にしたブレンドのセットです。
濃厚なコクとフルーティーな香りが楽しめる「イエローマウンテン(深煎り)」や、スイーツと相性抜群の「サントス・プリンセス(中深煎り)」など、3種類のコーヒー豆が揃っています。
③サントスNO2 17/18|ダートコーヒー
国内の専門家による厳しい審査を経て高評価を受けた「No.2 17/18」のグレードを持つコーヒー豆です。
浅煎りから深煎りまで8段階の焙煎度が選べ、挽き方も粗挽きから極細挽きまで自由に選択できます。
価格は507円/100gで、賞味期限は製造日から6ヶ月です。
ブラジル産コーヒーの万能性
広大な土地で育まれたブラジル産コーヒーは、酸味と苦味のバランスが絶妙で、ストレートでもブレンドでも楽しめます。
興味が湧いたら、ぜひ紹介した飲み方を試してみてくださいね。
コーヒーの深い世界を体験し、素敵なコーヒータイムを過ごせることを願っています♪